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はじめに:歯の治療が逆に「口臭」を引き起こすことも?
虫歯や歯の損傷を補うために使われる「詰め物」や「被せ物」。
これらは口内環境を保つためにとても大切な処置ですが、
実は“詰め物そのもの”が口臭の原因になることもあるんです。
一見すると問題なさそうに見えても、内部で細菌が繁殖していたり、
古くなった接着面が剥がれて隙間ができていたり…。
今回はそんな「詰め物と口臭」の意外な関係について、詳しく解説します。
詰め物・被せ物には寿命がある
詰め物・被せ物は永久的なものではありません。
使用される素材や口内環境にもよりますが、
一般的には5〜10年程度が寿命の目安とされています。
素材別で見てみると、
- レジン(プラスチック)素材:2〜5年
- 銀歯(メタル):5〜7年
- セラミックやジルコニア:7〜10年
といったように、素材ごとに耐久年数も異なります。
時間の経過とともに劣化や摩耗が進み、歯との間にわずかな隙間ができることも。
隙間に細菌が入り込むと…
この「わずかな隙間」が、口臭リスクを大きく高める要因になります。
隙間に入り込んだ細菌は、酸素の届きにくい環境でどんどん繁殖。
そこで発生するガスが “腐敗臭”のような強いニオイ” を発生させてしまうのです。
さらに怖いのは、自覚症状が出にくいこと。
見た目には問題がなくても、内部で虫歯が再発していたり、
神経のない歯の中で感染が広がっていたりするケースもあります。
詰め物の下で「虫歯の再発」が起きていることも
治療後の詰め物の下で、“二次虫歯”(再発虫歯)が起こることは珍しくありません。
特に神経を抜いた歯は、痛みを感じにくいため気づかないうちに進行していることも。
こうした状態は、虫歯の進行とともに悪臭を放つようになり、
「なんとなく口臭が気になる」「他人に指摘された」などの形で気づくこともあります。
自分で気づくのは難しい?チェックのポイント
詰め物の劣化や二次虫歯は、鏡で見ても分かりにくいのが厄介な点です。
以下のようなサインがある場合は、一度歯科医院で診てもらうのがおすすめです。
- 詰め物の周囲が黒ずんでいる
- 詰め物が浮いている、引っかかりを感じる
- 食べ物が詰まりやすくなった
- フロスを通すとほつれる・引っかかる
- 以前よりも口臭が気になる
対策①:定期的な歯科検診が重要
口臭が気になる場合、まずは歯科でのチェックが最優先です。
目に見えない問題を発見してもらい、必要であれば詰め物の交換や修復が行われます。
特に、
- 5年以上前に詰めたまま放置している
- 治療から時間が経っているのに検診していない
こういったケースは、要注意です。
対策②:素材の見直しも検討してみて
近年では、耐久性が高く・汚れにくい素材(セラミックやジルコニアなど)も多く使われるようになっています。
保険診療では銀歯などが主流ですが、見た目や清潔さの面では自費診療の素材も選択肢になります。
「口臭予防のために素材を変える」というのも、長い目で見れば有効な対策になることも。
まとめ:見えない口臭の原因は“詰め物の奥”にあるかもしれない
口臭の原因はさまざまですが、
「昔の治療が原因で…」というケースは意外と多いものです。
自分では見えにくく、気づきにくいからこそ、
違和感を感じたら早めに歯科でチェックしてもらうことが大切。
キレイに見えても、詰め物の中でトラブルが進行していることもある。
ぜひこの機会に、ご自身のお口の中を見直してみてくださいね。
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