「親知らずを抜いた方がいいですよ」と言われても、
それが“歯茎の中に埋まっているタイプ”だと聞いた瞬間、不安になる人は少なくありません。
見えない位置にある歯の手術なんて怖そう…と感じるのも当然です。
でも、実は埋まっている親知らずの手術は、しっかり手順を知っておけば心構えができます。
今回は、自分の勉強も兼ねて「歯茎に埋まっている親知らずの手術」について、事前に知っておきたいことをまとめました。
目次
歯茎に埋まっている親知らずってどういう状態?
親知らずは、まっすぐ正しく生えれば問題ないこともあります。
しかし、スペースが足りなかったり、途中で成長が止まると、「歯ぐきに完全に埋まったまま」や「横向きに埋まったまま」の状態になることがあります。
これを「埋伏(まいふく)歯」といい、レントゲンで初めて発見されるケースが多いです。
見えないからと放置してしまうと、以下のようなリスクがあります:
- 隣の歯(第二大臼歯)を押してしまう
- 歯並びが乱れる
- 歯ぐきの中で炎症を起こす
- 嚢胞(のうほう)という膿の袋ができることもある
こうした理由から、「問題が起きる前に抜いた方がいい」と判断されることがあるんです。
手術ってどんな流れ?痛いの?
埋まっている親知らずは、普通の抜歯とは違って“小さな外科手術”として行われます。
流れは以下のようなイメージです:
① レントゲンやCTで位置を確認
歯の向きや深さ、神経との距離などを確認して、安全に抜けるかどうかを判断します。
② 局所麻酔をして手術開始
麻酔をしっかり効かせるので、手術中は痛みを感じません。ただし、器具の音や振動は感じるかもしれません。
③ 歯ぐきを切開
埋まっている歯の部分の歯ぐきを少し切開し、歯を露出させます。
④ 必要に応じて歯を分割
歯が大きくてそのまま取り出せない場合は、歯を数分割にして取り出すこともあります。
⑤ 歯を取り出して縫合
歯を取り除いたら、洗浄・止血し、切開した歯ぐきを糸で縫って閉じます。
⑥ 術後の経過観察と抜糸
通常、1週間〜10日後に抜糸。それまでに異常がなければ経過良好と判断されます。
術後はどれくらい痛む?腫れる?
術後の症状は個人差がありますが、以下のようなことが起こりやすいです:
- 腫れ:2〜3日目がピーク。特に下の親知らずは腫れやすい
- 痛み:痛み止めを出してもらえるが、ズキズキすることもある
- 内出血:頬やあごに軽い青アザのような跡が出ることも
冷やしすぎず、安静にしていれば1週間程度で落ち着くことが多いです。
ただし、痛みが強すぎたり、膿のようなにおいが出る場合はすぐに歯科へ連絡を。
手術を受ける前に知っておきたい注意点
- 体調管理をしておくこと:発熱や風邪気味のときは延期になることも
- 前日はしっかり睡眠をとること:体力が回復に関わってきます
- 抗生物質と痛み止めは指示通りに服用
- 術後3日間は激しい運動・飲酒・長風呂NG
- 喫煙も控えること(治りが遅くなります)
【コラム】実際に手術を受けた人の声
「埋まってる親知らずを抜くと聞いて怖かったけど、手術中は痛みなし。終わってから2日目くらいが一番腫れて、口が開けにくかったけど、1週間後にはほぼ普段通りに戻った!」(30代女性)
「抜いた後の穴がしばらく気になったけど、うがいとお薬ちゃんとしてたら問題なし。先生が丁寧に説明してくれて安心できた」(20代男性)
まとめ:放置しないで、一度相談を
歯ぐきに埋まっている親知らずは、自分では見えないぶん不安も大きいですが、
正しい知識と準備があれば、怖がりすぎる必要はありません。
「まだ痛みもないし…」と放置すると、将来もっと大きなトラブルにつながる可能性もあります。
自分の歯を守るためにも、まずは歯科で相談し、レントゲンを撮ってもらうところから始めてみてくださいね。
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