「歯はなるべく残したい」——これは歯科医師にとっても、患者さんにとっても共通の願いです。
しかし、すべての歯が救えるわけではなく、やむを得ず抜歯を選択するケースもあります。
今回は、「ここまで進行したら抜歯になる」という判断基準について、代表的なケースを解説します。
目次
歯を残す治療の限界とは?
現代の歯科医療では、根管治療や歯周病治療などを通じて、歯を残すための努力がなされています。
しかし、以下のような場合には保存不可能と判断され、抜歯になることも。
抜歯が必要になる主なケース
① 重度の虫歯で歯が崩壊している
虫歯が歯根の深部まで進行し、歯の構造が大きく崩壊している場合、被せ物などの処置が不可能に。
💬POINT:歯の土台が残っていないと、修復治療は難しいため、抜歯を選ばざるを得ません。
② 根管治療がうまくいかず、再治療も困難
根の先に膿がたまる「根尖性歯周炎」などは、根管治療で治せる場合もあります。
しかし…
- 感染が広範囲に及んでいる
- 歯根が割れている
- 何度も治療しても改善がない
といった状況では、再治療も難しく、抜歯が必要になります。
③ 歯根破折(歯の根が割れる)
強い力や外傷によって歯根が割れてしまうと、そこから細菌が侵入し、内部感染を引き起こします。
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この場合、多くのケースで抜歯以外の選択肢がなくなるのが現実です。
④ 重度の歯周病で歯がグラグラ
歯を支える骨(歯槽骨)が歯周病で大きく溶け、歯が自立できないほどグラグラしている場合も、抜歯対象に。
💡補足:このようなケースでは、無理に歯を残すことで周囲の歯にも悪影響が出ることもあります。
⑤ 親知らずの位置や状態によるリスク
- 横向き・斜めに生えている
- 炎症や痛みを繰り返す
- 隣の歯を圧迫している
このような親知らずは、予防的に抜歯するケースも多くあります。
抜歯を避けるにはどうすればいい?
歯を守るには、日々のケアと早めの対応が何より大切です。
✅ 抜歯を避けるために心がけたいこと
- 定期検診を受ける
- 違和感や痛みを放置しない
- 毎日のブラッシング・フロスを徹底する
- 歯の健康に関する情報にアンテナを立てる
まとめ|抜歯は「最後の手段」
抜歯は、**治療の中でも最も避けたい“最終手段”**です。
とはいえ、状況によっては抜歯を選ぶことで、周囲の歯や全体の健康を守るという結果につながることも。
🦷歯を守るには「今」からの意識が大切です。
自分の歯を守るのは、自分自身。未来の自分のために、できることから始めていきましょう。
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